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第13回翻訳研究分科会のお知らせ [翻訳研究分科会]

第13回翻訳研究分科会を以下の要領で開催します。今回は関西地区での開催です。多くの方の参加をお待ちしております。
 
日時: 2010年7月11日(日)13:30-
場所: 西宮大学交流センター(阪急西宮北口駅直結)セミナー室1
     http://www.nishi.or.jp/homepage/daigaku/info/index.html
 
(1)三ツ木道夫(同志社大学)「哲学者ニーチェの翻訳論アフォリズム」
古典文献学出身の思想家フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche 1844-1900)は、「ツァラツストラはかく語りき」(1885)の著者として知られている。この他にも歴史、道徳、言語等に関する著作を残したが、翻訳論と呼ぶことのできるものはわずかに二篇の断章(アフォリズム)だけである。
 そのうちのひとつが『悦ばしき知恵』(1882)第2書の83番断章であり、「翻訳作品Uebersetzungen」というタイトルがつけられている。この断章の主題は、翻訳方法と「歴史感覚」との関係である。「歴史感覚」というのはニーチェ独特の用語で、極端なまでに歴史を偏重する当時のドイツ文化を指している。
 いま一つのアフォリズムは『ツァラツストラ』以後の著作である『善悪の彼岸』(1886))第2書「自由精神」の28番断章である。ここでは翻訳の方法ではなく、原作のテンポを翻訳において映し出すことの困難さ、またこの困難と文化伝統との関連が語られている。
 本発表ではこの二篇の断章を中心に、翻訳の思想史という観点から、<翻訳者>の置かれた(る)場を考えてみたい。
 
(2)伊原紀子(神戸大学)「翻訳と話法:語りの声を聞く」
 本発表では日英の小説を、話法を軸に分析する。翻訳という操作を経た小説が、命題ではなく心的態度の部分でどのように変化し、それが読者の受ける印象をどのように左右するかといった非指示的領域の問題を中心に考えたい。前半で翻訳と話法との関わりについて簡単に述べ、後半では英語の自由間接話法に焦点を当てて、小説の中の話法表現の訳し方が、小説の表現効果に与える影響について考察する。その結果自由間接話法による、語り手と登場人物の微妙な声の二重映しが、英語に優位なレトリック効果を発揮していることが分る。一方、文末表現などの使用を伴い、登場人物に視点を移して臨場感豊かに語るのは、日本語に優位なレトリックであることが確認できる。このような感情表出の翻訳の問題を、訳者の趣味・嗜好や技量の問題であると片付けてしまうのでなく、日・英の言語構造や物語構造の相違に着目することによって、ある程度一般的な傾向として論じることが可能だと考える。
 
[参加費] 会員:無料  非会員:1,000円
[出席の連絡] 7月9日(土)までに水野(a-mizuno@fa2.so-net.ne.jp)までお願いします。
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